第22回 なぜ 正しいこと は現場で嫌われるのか

正しさを仕組みに落とすことを象徴する 設計図と農具のアイキャッチ
目次

なぜ 正しいこと は現場で嫌われるのか


―― 行動心理学と戦略で見る 組織が壊れる瞬間 ――

正しいことを言っているはずなのに、
なぜか空気が悪くなる。

合理的な判断のはずなのに、
なぜか反発される。

経営をしていると、
何度もこの場面に出くわす。

でもこれは、
人が未熟だからでも、
性格が悪いからでもない。

構造の問題だ。


① 正しさは 人を動かさない

行動心理学には、
こうした前提がある。

人は
正しいから動く のではなく、
納得できた時に動く

正論は、
感情を飛び越えてしまうことがある。

だから、
正しいことほど、
ぶつかりやすい。


② 行動心理学 現状維持バイアス

人は基本的に、
今の状態を変えたくない。

これを
現状維持バイアスという。

今のやり方
慣れた手順
分かっている不便

たとえ非効率でも、
変化そのものがストレスになる。

経営者が
こっちの方が正しい
と示した瞬間、

現場は
変えさせられる
と受け取る。

ここで摩擦が生まれる。


③ 孫子兵法が言う 人を動かす順番

孫子兵法には、
こんな一節がある。

上兵は謀を伐つ
其の次は交を伐つ
其の次は兵を伐つ

最上の戦いは、
考え方そのものを変えること

力で押すのは、
一番下のやり方だ。

経営で言えば、

命令で動かす
正論で押す

これは 兵を伐つ に近い。

疲れるし、
反発も残る。


④ ランチェスター戦略で見る 正しさ

ランチェスター戦略では、
弱者がやってはいけないのが
消耗戦

正しさを
毎回説明し、
毎回説得し、
毎回戦う。

これは、
経営者の体力が先に尽きる。

弱者の戦略は、
戦わずに済む構造を作ること。


⑤ 正しいことを 仕組み に変える

ここが、
このシリーズで一番大事な部分。

正しいことを
言葉で通そうとすると、
必ず摩擦が起きる。

だから、

ルールにする
仕組みに落とす
判断を減らす

人を説得しない設計にする。

これが、
正しさを通す唯一の方法だ。


⑥ 嫌われ役が必要になる理由

それでも、
線を引く場面は必ず来る。

その時、
誰かが嫌われ役を引き受けないと、
組織は曖昧なまま腐る。

ただし、

感情でぶつからない
人格を否定しない
仕組みの話にする

これを守らないと、
正しさは暴力になる。


⑦ このシリーズで伝えたかったこと

15回からここまで、
ずっと同じ話を
別の角度から書いてきた。

価格
任せる
嫌われ役
忙しさ
判断疲れ

全部つながっている。

経営とは
感情と判断をどう設計するか。


まとめ

正しいことが嫌われるのは、
正しさが間違っているからじゃない。

通し方が、
人間の構造に合っていないだけ。

孫子兵法は、
戦う前に整えろ と言う。

ランチェスターは、
消耗する戦場に出るな と言う。

行動心理学は、
人は正論では動かない と教えてくれる。

だから、
正しさは
仕組み に変える。

ここまでが、
思想編。

次からは、
実務編に入る。

自分はそう思う。

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