他責では何も変わらない。
改善を積み上げた人から勝っていく。
色々な農家の方と話していると、
時々こういう言葉を耳にします。
「今年は気候が悪かったから…」
「みんなも不作だから仕方ないよね」
「去年は周りもダメだったし…」
気持ちは分かります。
確かに天候不順も獣害も、誰のせいでもありません。
でも私は、5年間農業を続けてきて
強く思うことがあります。
■ 他責では、何ひとつ改善されない。
■ 自責した人から勝っていく。
これは精神論ではなく、
“改善の速度”が圧倒的に変わるという意味です。
失敗したときは、
対策できなかった自分を責めるところから始める。
とことん責め、改善に変換する。
これが農業では本当に大きな差になります。
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■ ① 農業は「運の仕事」。だから考え方で未来が分かれる

農業にはコントロールできない要素が多い。
・天候
・台風
・獣害
・病害虫
・価格変動
ここまではみんな同じです。
でも、ここで道が分かれます。
■「運が悪かった」で止まる人
→ 来年も同じ失敗を繰り返す
■「運が悪い中でも、何ができたか」を考える人
→ 改善が加速し、再現性が上がる
農業は、
“運を前提にして、どう適応するか” が勝負の分岐点。
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■ ② 他責は麻薬。短期的には楽だが、長期的には成長が止まる

他責は一瞬楽です。
・気候が悪い
・周りもやられてる
・今年はみんな不作
こう言えば心は軽くなる。
でも、その瞬間に成長が完全に止まります。
逆に、自責はしんどい。
・段取りはどうだったか
・防除のタイミングは適切か
・品種選定は間違っていなかったか
・圃場管理は甘くなかったか
・適地適作を外していなかったか
振り返りは面倒で、心に刺さる。
でも、この積み上げだけが“強さの源”になります。
■ 他責=ゼロ学習
■ 自責=積み上げ学習
この差が、3年・5年で取り返しがつかない差になる。
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■ ③ 改善は“複利”で効く

農業の改善には「倍々ゲーム」の効果があります。
失敗の原因を改善する
→ 翌年その改善が効く
→ さらに次の改善を上乗せする
→ それが翌年また効く
■ 改善は、複利で積み上がる。
逆に他責の人は、改善ゼロ。
毎年スタート位置が同じ。
考え抜いて改善した人だけが、
確実に階段を登り続けます。
気づけば、見える景色がまったく違う。
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■ ④ 今日の行動が、未来の自分の信用になる

勝っていく農家には共通点があります。
■ 毎日、何かひとつ改善している。
・今日の段取りを見直した
・今日の防除判断を磨いた
・今日の出荷の並べ方を工夫した
・今日のミスを振り返った
・今日、1ミリでも効率化した
この“1ミリ”が積み上がると、
技術・実績・信用すべてにつながります。
■ 自責=今日を積み上げる
■ 他責=今日を捨てる
この違いは未来にとんでもない差となって返ってきます。
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■ ⑤ 周りの“優しい言葉”に逃げ込むな

農業仲間も地域の人も本当に優しい。
「今年はみんなダメやったしな」
「気候が悪かったんやし仕方ない」
言ってくれる。
でも、この言葉に“逃げ込む”と成長は完全に止まる。
■ 安心ではなく、改善に逃げ込め。
自責した瞬間に改善の種が生まれ、
やがて成果として花開く。
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■ 第7話まとめ
- 他責では改善が起きない
- 自責した人だけが翌年強くなる
- 改善は“複利”で効いてくる
- 今日の行動が未来の信用になる
- 優しい言葉に逃げ込むな
- 自責に切り替えた人から勝っていく
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■ 次回予告(第8話)
現金は“借金してでも”手元に置け。
キャッシュが尽きた瞬間、農業は終わる。
