迷わないために決めていること。引き返す判断も、仕事のうち。
農業を続けていると、
「やるか、やらないか」
「続けるか、引くか」
そんな判断が日常的に出てくる。
情報を集めて、観察して、記録して、試しても、
最後に必要になるのは 判断の軸 だと感じている。
今回は、
迷いにくくするために
自分なりに意識している考え方を整理してみる。
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1. 「うまくいかない前提」で考える

新しいことを始めるとき、
最初から成功を前提にしない。
・合わない可能性もある
・効果が薄いかもしれない
・思ったより負担が大きいかもしれない
そう考えたうえで始める。
この前提があると、
結果が思わしくなくても冷静でいられる。
農業では、
うまくいかなかった理由を
無理に「失敗」と呼ぶ必要はない。
「この条件では合わなかった」
それだけのことだと思っている。
期待値を上げすぎないことが、
判断を落ち着かせてくれる。
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2. 「どうすれば形になるか」を先に考える

何かをやろうと思ったとき、
まず考えるのは「できるか、できないか」ではない。
どうすれば成立するか。
・今の人手で回るか
・今の時間配分で無理がないか
・一時的ではなく続けられるか
・他の作業を壊さないか
実際の農業の中に、
ちゃんと落とし込める形かどうかを考える。
やらないために考えているわけではない。
ちゃんとやるために考えている。
その結果、
「今は形にならない」と判断することもある。
それは否定でも後退でもなく、
今の条件に合わせた判断だと思っている。
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3. 「引き返せる位置」で動く

一度始めたことを、
途中でやめるのは気持ちの面では簡単ではない。
だからこそ、
最初から引き返せる余地を残して動く。
・小さく始める
・区切りを決める
・期限を設定する
こうしておくと、
「ここまでやってダメなら切り替える」
という判断がしやすくなる。
引き返すことは、
逃げでも失敗でもない。
状況に合わせて舵を切り直すだけ だと考えている。
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第22話まとめ
・最初から成功を前提にしない
・どうすれば成立するかを考える
・形にできるかを見極めて進める
・引き返せる余地を残して動く
・判断の基準を先に持っておく
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