情報は集めて終わりじゃない。現場の判断につなげるためにやっていること。
ここまで、
コミュニティ、オンライン、情報との距離感について書いてきた。
ただ、情報は集めただけでは意味がない。
農業では特に、
「どう現場の判断につなげるか」 が一番大事になる。
今回は、自分が意識している
情報と現場をつなぐ考え方を整理してみる。
──────────────────────────
1. まずは「観察」。情報より先に畑を見る

どんな情報を見ても、
最初にやるのは畑を見ること。
・葉の色
・勢い
・天気とのズレ
・土の状態
・前回の作業からの変化
オンラインや人から聞いた話があっても、
それが今の圃場に当てはまるかは別問題。
情報を信じる前に、
今、畑で何が起きているか を確認する。
観察を飛ばすと、
どんな正しい情報もズレた使い方になる。
ここは、何年経っても一番大事だと感じている。
──────────────────────────
2. 記録する。判断を感覚で終わらせない

観察したことは、
できるだけ簡単でもいいから残す。
・日付
・天気
・作業内容
・気づいた点
・結果
最初は面倒に感じるが、
記録があると判断が落ち着く。
「前もこうだった気がする」ではなく、
「前はこうだった」と言えるようになる。
情報と記録がつながると、
次に同じ場面が来たときに迷いが減る。
農業では、
この“迷いの少なさ”が
作業の質とスピードに直結する。
──────────────────────────
3. 小さく試して、振り返る

情報を見て
「良さそうだ」と思っても、
いきなり全面でやらない。
・一部の畝
・一部の圃場
・一回だけ
小さく試す。
その結果を見て、
合えば続けるし、
合わなければやめる。
うまくいかなかったとしても、
それは失敗ではなく
「自分の畑には合わなかった」という判断材料 が増えただけ。
情報は、
試して、振り返って、
初めて自分のものになる。
──────────────────────────
第21話まとめ
・情報より先に、まず畑を観察する
・判断を感覚で終わらせず、記録につなげる
・いきなり全面でやらず、小さく試す
・情報は「判断材料」として使う
・現場で検証して初めて意味を持つ
──────────────────────────
次回予告(第22話)
次回は、
「判断を間違えにくくするために決めている基準」 について。
迷ったときにどう考えるか。
やらないと決める基準。
引き返す判断の持ち方。
農業を続けるうえで、
地味だけど効いてくる話を書く予定。
