オンラインを“道具”として使う。農業に生かすための考え方。
第19話では、
オンラインはコミュニティの代わりにはならない、
という話を書いた。
ただ、オンライン自体が悪いわけではない。
使い方次第で、農業にとっては十分に役に立つ。
今回は、
自分なりに整理している
オンラインとの付き合い方を書いてみる。
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1. 情報は「正解」ではなく「参考」として見る

オンラインには、
農業に関する情報が大量にある。
技術、資材、防除、経営、事例。
真面目に見始めると、きりがない。
最初の頃は、
どれも正しそうに見えて、
かえって迷うことも多かった。
そこで意識するようになったのは、
オンラインの情報は
「そのまま使うものではない」 という前提。
土も環境も作物も違う以上、
誰かの成功例が
そのまま自分の圃場で再現できるとは限らない。
オンラインの情報は
「ヒント」や「考える材料」くらいに捉える。
最終的に判断するのは、
自分の畑の状態と、これまでの経験だと考えている。
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2. SNSは距離を決めて使う

SNSは便利だ。
他の地域の状況も分かるし、
思いつかない工夫に触れることもある。
一方で、
見すぎると気持ちが揺れることもある。
・他人の成果が気になる
・比べて焦る
・余計な情報が頭に残る
農業は、
自分のペースが崩れると
判断にも影響が出やすい仕事だ。
そのため、
SNSは「必要なときに見に行く」くらいが
自分には合っていると感じている。
常に触れていなくても、
必要な情報は後からでも拾える。
SNSは
生活の中心に置くものではなく、
道具箱の一つ、という位置づけで十分だと思っている。
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3. 専門家とは「状況を整理して」つながる

オンラインのおかげで、
専門家に相談しやすくなったのは
本当に助かっている点だ。
ただ、相談するときに意識しているのは、
できるだけ状況を整理して伝えること。
・作物
・時期
・圃場の状態
・これまでの対応
これをまとめてから聞くと、
返ってくる答えの精度が全く違う。
「何をすればいいか」ではなく、
「この状況でどう考えるか」を聞く。
そうすると、
答えそのものよりも
考え方を学べることが多い。
オンラインは、
距離に関係なく
知見に触れられる手段として
とてもありがたい存在だと感じている。
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第20話まとめ
・オンラインの情報は参考として扱う
・正解かどうかは自分の圃場で判断する
・SNSは距離を決めて使う
・専門家とは状況を整理してつながる
・オンラインは農業を補助する道具の一つ
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次回予告(第21話)
次回は、
オンラインや人から得た情報を
どう現場の判断につなげているか。
観察、記録、振り返り。
実際の農業の中で、
どう整理しているかを書いていく予定。
