お金の優先順位を間違えた瞬間、農業は壊れる。
どこにお金を入れ、どこをケチるかで未来が決まる。
農業で失敗する人の多くは、
「努力が足りなかった」わけでも
「根性がなかった」わけでもありません。
原因はもっとシンプルです。
■ お金の“優先順位”を間違えた。
たったこれだけで、
どれだけ真面目でも続きません。
農業は どこにお金を入れるべきか と
どこをケチってはいけないか が、
他産業より極端に分かれています。
私が5年やってきて断言できることはひとつ。
■ 正しいところに金を入れると、農業は一気に楽になる。
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■ ① 農業には「絶対にケチってはいけない場所」がある

それは次の3つ。
① 防除(薬剤・散布のタイミング)
② 水(潅水設備・管理)
③ 機械の健康(修繕・更新)
この3つは“生命線”。
ここをケチると──
病気、枯れ、ロス、遅れ、作業停止。
つまり 全損リスク につながります。
農業はこれが怖い。
■ サボった分だけ“現実”が取り立てに来る。
■ ケチった分だけ、必ず収量に跳ね返る。
特に防除は“あとからでは取り返せない”。
これは農業の絶対ルール。
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■ ② 逆に「ケチっても死なない場所」がある

■ 見栄えのいい道具
■ 新品へのこだわり
■ ブランド志向の資材
■ 見た目だけのハウス補強
■ SNS映えだけの消耗品
これは事業の“本質”ではない。
農業は “効くものだけ選ぶ” のが正解。
新品が正義ではないし、
高価=高性能でもない。
■ 本当に必要なのは「再現性」です。
1回うまくいけばOKではなく、
毎年同じ品質と量を出せる仕組み。
金を入れるべき場所は
「再現性を高める仕組みだけ」。
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■ ③ 優先順位を間違えると農業は崩壊する

よくある崩壊パターン。
ケース1:安物買いの銭失い
→ 機械が壊れて作業が止まる
→ 一番忙しい時期に詰む
ケース2:防除をケチって病気まみれ
→ 一発で年間利益が吹き飛ぶ
ケース3:チャンスの時に動けない
→ “欲しい時に買えない”のが最大の損失
結論はひとつ。
■ 使うべきところに使わなかったツケは、必ず倍返しで来る。
これは精神論ではなく“経営の法則”。
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■ ④ 「迷ったら保険を貼れ」が農業経営の正解

農業は不確実性が強すぎる。
だからこそ優先順位の判断基準はシンプル。
■ 迷ったら“保険”の方に金を置け。
・余分な苗
・予備の刈払機
・予備の噴霧器
・ハウスの補強
・収穫期の人件費
これらは全部“事故った時に死なない仕組み”。
農業は「死なない戦い方」が最強。
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■ ⑤ 優先順位の原則(結論)

■ 1位:命にかかわるところ(防除・水・天敵対策)
■ 2位:作業が止まらないための機械
■ 3位:収穫量と再現性が上がる投資
■ 4位:精神の安定
■ 5位:見栄え・嗜好品(最下層)
この順番を守るだけで
農業の難易度は劇的に下がります。
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■ 第9話まとめ
- 農業は“優先順位”を間違えた瞬間に壊れる
- ケチってはいけない場所は「防除・水・機械」
- ケチるなら“再現性を下げない範囲”だけ
- 優先順位を間違えると倍返しで損失がくる
- 農業は“死なない戦い方”が最強
- 迷ったら保険に金を置くのが正解
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