就農資金はそんなに簡単に出ないぞ。
公庫は“応援”ではなく“経営力チェック”です。
「就農資金って、簡単に借りられるんですよね?」
新規就農を目指す時に配られるパンフ。
そこに並ぶキャッチコピー。
まるで“借りられて当たり前”みたいな空気。
でも現実はまったく違います。
結論から言います。
■ 公庫は“応援団”ではありません。
■ 公庫は“経営者として立てるか”を判断する場所です。
そしてもう一つ。
■ 公庫は“厳しい味方”です。
厳しいのは冷たいからではない。
落としたいからでもない。
税金を扱う以上、「回収できるか」を真剣に見ているだけ。
“冷たい”のではなく“正しい”だけなんです。
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■ ① 公庫は応援ではなく“銀行基準”。税金を扱う以上、厳しさは当然

まず覚えておくべきこと。
■ 公庫の融資は“税金”が入っています。
■ だから回収できる見込みが最優先。
冷たく感じるのは当たり前。
それが向こうのプロとしての仕事。
でも、それは“敵意”ではない。
■ 厳しいけれど、敵ではない。
■ 厳しいけれど、シビアに見てくれる“味方”。
質問すれば必ず答えてくれるし、
疑問をぶつければしっかり返してくれる。
ただし──
■ 痛い言葉を“否定”として受け取った瞬間、成長が止まる。
あれは否定ではありません。
「このままでは危ない」という“警告”。
農業“経営者”としてのスキルアップのチャンスです。
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■ ② 公庫が見ているのは“経営者の頭の中”

営農計画書は綺麗に書けます。
でも、面談をした瞬間に全部バレます。
・なぜその作物?
・なぜその規模?
・なぜ今その投資?
・不作ならどうする?
・黒字化の根拠は?
・数字の妥当性は?
・最悪ケースをどう避ける?
質問に対しての“根拠”の出し方で、
あなたが
■ 作業農業をやる人か
■ 経営農業をやる人か
一瞬で分かります。
■ 公庫は計画より“思考”を見ている。
農業経験より、
経営の理解のほうが何倍も重要です。
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■ ③ よくある誤解

■ 誤解1:赤字は通らない?
これは誤解です。
全体で見れば、国民生活事業の利子付きなら
“筋の通った計画”なら 赤字でも普通に通ります。
新規就農なんて赤字が当たり前。
公庫もそこは理解しています。
大事なのは、
・赤字の理由が説明できるか
・黒字化までの道筋を言語化できるか
ここ。
ただし──ここが一番重要。
■ 青年等就農資金(就農資金)だけは別枠。
■ この制度だけ“黒字化の根拠”が絶対条件。
農林水産事業の青年等就農資金
金利0%、据え置きアリという破格の条件は、
“経営者なら絶対に利用すべき”です。
ただし──
■ 半端な計画では絶対に通らない。
逆に言えば、
■ ここを突破できれば“経営者としての実力”が評価された証。
難関だけど、
その価値は本当にプライスレス。
ちなみに私自身、
ここでつまずいた経験があります。
これは次回(第6話)で書きます。
