熱血は良い。でも“頑張りすぎ”は持続不能。
農業には引き返す判断と、力を抜く技術が必要です。
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新規就農した頃は、ただ、毎日が楽しくて、夢中になっていただけ。
圃場に行けば新しい発見があって、
作物の成長を見るのが面白くて、
気づけば日が暮れるまで畑にいた。
疲れているのに、それすら感じないくらい楽しかった。
でも、その“夢中の裏側”で、
気づかないうちに大きな問題が積もっていました。
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1. 楽しいのに、どこかで「しんどい」が積もっていった

夢中で動く時期は大事やけれど、
気づけば 考える時間がゼロに近い状態になっていました。
・段取りを振り返る余裕がない
・適期の読みが曖昧なまま
・改善点が見つかっても整理できない
・ミスがミスのまま蓄積していく
作業には没頭できるのに、
頭を使う余白が失われていく。
「楽しさだけで走れる期間」というのは、
思っているより短いのかもしれません。
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2. 内心ではずっと「このままじゃアカン」とわかっていた

夢中で農業をしていたけれど、
心のどこかで薄々感じていました。
「この働き方は続かへん」
しんどいのに楽しいから誤魔化されてしまう。
でも、改善が止まると農業はすぐに行き詰まる。
この違和感を、ずっと抱えたまま動いていました。
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3. そして気づいた。“考える時間”が一番の不足やった

ある時、ふと止まった瞬間に気づきました。
「ああ、自分は考える時間をなくしてたんや」
農業はもともと“考える仕事”なのに、
考える体力も、余白も残していなかった。
段取り、適期、防除、作付け設計…
全部が場当たり的になりつつあった。
夢中でやってきた日々は間違いじゃない。
でも 夢中だけでは続かない。
ここでようやく、次のステップに進む準備ができました。
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4. 第13話まとめ(前編)
・最初はただ楽しくて夢中だった
・でも、知らない間に“考える時間”が失われていた
・楽しさだけで走ると、改善が止まる
・「このままじゃアカン」という違和感は正しいサイン
・続けるためには、いったん立ち止まる必要がある
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【次回予告|第14話(後編)】
次回は、深い気づきの核心へ。
“持続可能って何や?”です。
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