鍋の季節、春菊が美味しいですよね。
でもこの子、買ってきて冷蔵庫に入れておくと、翌日には「クタッと元気がなくなる」「葉が黄色く溶ける」…なんてこと、よくあります。
実は春菊、野菜の中でもトップクラスに水切れが早いんです。
農家からすると春菊は野菜というより、切り花感覚で扱うのが正解です。
今日は、しなびた春菊をシャキッと戻して、長持ちさせる「ひと手間」の話です。
① 結論:食べる前に「水揚げ」をする

春菊の茎は水を吸い上げる力が強いです。
買ってきたら、そのまま冷蔵庫に入れる前に、花屋さんと同じことをしてあげてください。
【農家の蘇生術(水揚げ)】
- ボウルに水を張る。
- 春菊の根元を少しだけ切り落とし(できれば水の中で切る)、すぐに水につける。
- そのまま15〜30分置いておく。
これだけで茎が水を吸い上げて、葉先までパンパンに戻りやすくなります。
※ただし、黄変やヌメりが出ているものは復活しにくいので、その場合は早めに加熱がおすすめです。
② 家庭の現実解:水滴を残さず「茎だけ保湿」して立てる

水を吸わせて元気になったら、次は保存です。
春菊の葉は水滴がつくと溶けやすいので、葉を濡らしすぎないのがコツです。
保存の3ステップ
- 水揚げ後、水気をよく切る(葉っぱは特に水滴を残さない)。
- 濡らしたキッチンペーパーで「根元(茎)」だけを包む。
※葉全体を包むと蒸れて溶ける原因になります。 - ポリ袋に入れて、冷蔵庫で「立てて」保存。
※横置きだと重みで潰れて傷みやすいです。口は軽く閉じる程度でOK。
③ 目利き:買う時点で半分決まる

良い春菊
- 葉の緑色が濃く、ツヤがある
- 茎が太すぎず、下の方まで葉がついている
- 香りが強い(袋の上からでも香るくらいがベスト)
避けたい春菊
- 葉先が黄色く変色している
- 袋の中に水滴が溜まり、葉がヌルついている
- 茎が硬くて木みたい(筋っぽいです)
今日の「農家の食べ方」(5分)

新鮮な春菊は、茹でるなんてもったいない。
**「生」**が一番香りを楽しめます。茎までポリポリいけます。
【春菊の“生”サラダ(韓国風)】

- 材料:春菊(葉と細い茎)、ごま油、塩、韓国海苔(または普通の海苔)
- 作り方
- 春菊はよく洗い、3〜4cm幅に切る(茎も生のままでOK)。
- ボウルに入れ、ごま油を回しかけてコーティングする。
- 塩少々と、海苔をちぎって混ぜる。
- コロンのひとこと
「茹でた時の独特の苦味が、生だとマイルドになります。焼肉の横にあると最高です。」
[詳しくはこちら(直売所・オンラインショップへのリンク)]
まとめ
春菊は、野菜というより「花」。
食べる前に少し水を吸わせる(水揚げ)。
保存は茎だけ保湿して、冷蔵庫で立てる。
これで、鍋に入れるまでシャキシャキが残りやすくなります。
次回予告(第10回)
次回は ほうれん草。

冬のほうれん草が甘い理由と、「根っこの赤」を捨ててはいけない理由を、農家の理屈で解説します。

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