【第6回】農家が教える保存の知恵 玉ねぎ編

農家が教える保存の知恵【第6回】玉ねぎ編|冷蔵庫でブヨブヨになる原因と保存のコツを解説するアイキャッチ画像

玉ねぎ、まとめ買いして最後の方になると
「ブヨブヨ」「カビ」「芽が出る」…ありませんか?

しかも厄介なのが、冷蔵庫に入れてたのに起きること。
これ、玉ねぎが弱いのは温度よりも――たいてい**“湿気”**です。

今回は、玉ねぎを最後の1個まで使い切るための「理屈」と「手順」を短くまとめます。


① 結論:玉ねぎは“乾燥寄り”が正解(根菜なのに例外)

貯蔵の目安として、玉ねぎは 低温+中湿(湿度はだいたい65〜70%) が向く、とされます。
白菜・大根みたいに「高湿(95%〜)」が好きな野菜とは真逆で、玉ねぎはジメジメが苦手です。

ここで落とし穴になるのが、家庭の野菜室
野菜室は野菜を乾かさないために、湿度が高めになりやすい設計の機種が多いです。
玉ねぎを入れると、皮の内側に湿気がこもってカビ・腐り・ブヨブヨが起きやすくなります。


② 家庭の“現実解”保存:基本は「常温の涼しい乾燥」で!

一般的な茶色い玉ねぎ(乾いた皮のやつ)は、無理に冷やさなくてOK。
まずは湿気を避けて、風を通す。これが最優先です。

冬場の正解セット(3点)

  1. ネット/カゴに入れる(通気性を確保。ポリ袋は基本NG)
  2. 吊るす or 転がす(床の湿気を吸わせない。直置きは避ける)
  3. 涼しくて乾燥した暗所へ(玄関・廊下・納戸など。直射日光はNG)

これで冬場なら、体感でもかなり持ちます。

例外:冷蔵庫に入れるべき時(ここだけ覚えればOK)

  • 夏場(暑くて傷みやすい時期):冷蔵へ。ただし湿気対策が必須
  • 新玉ねぎ:水分が多いので、新聞紙で包んで冷蔵(早めに使い切る)
  • 使いかけ(カット済み):ラップ(または密閉容器)で冷蔵

※冷蔵に入れる場合は、新聞紙で1個ずつ包むのが鉄則です。
“冷やす”より先に、結露・湿気から守るのが勝ち筋です。


③ 目利き:買う時点で半分決まる

保存テクの前に、長持ちする個体を選ぶとラクになります。

良い玉ねぎ

  • 首(上の部分)がギュッと締まって乾いている
  • 皮がパリッとして、全体が乾いた感じ
  • ずっしり重い(中身が締まっている)

避けたい玉ねぎ

  • 首を押すと柔らかい(内部が傷んでいる可能性)
  • 芽が動き始めている
  • 黒ずみ・カビっぽさ・異臭がある

今日の「農家の食べ方」(5〜7分)

玉ねぎは加熱すると、辛味が“甘み”に変わります。
手間をかけずに一番甘いのは、丸ごとです。

【玉ねぎの丸ごとレンジ蒸し】

  • 材料:玉ねぎ1個、バター1かけ、ポン酢(or麺つゆ)、かつお節
  • 作り方
  1. 皮をむき、上下を少し切り落とす
  2. 上に十字の切り込みを深めに入れる
  3. 耐熱皿→ふんわりラップ→レンチン(600Wで5〜7分、トロッとするまで)
  4. バター+ポン酢+かつお節で完成
  • コロンのひとこと
    「“あと一品ない?”の時は、これが一番早いです。甘さにビックリします。」

まとめ

玉ねぎは、他の野菜と違って 「湿気NG」
野菜室にポイっと入れる前に、
冬は常温(涼しい乾燥)/冷蔵なら新聞紙。これだけで最後の1個まで使い切れます。

次回予告(第7回)
冷蔵庫に入れると「石みたいに硬くなる」理由、知っていますか?

「洗うと腐る」「冷やすと固まる」失敗の仕組みを、置き場所の理屈で短く片付けます。乞うご期待。

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