しいたけ、買ってきたら「パックのまま冷蔵庫」になっていませんか。
これ、地味にやりがちな“失敗ルート”です。
せっかく冷蔵庫に入れたのに、気づいたら傘が黒ずんでヌメッとしている。
これ、だいたい “同じ原因” で起きています。
農家からすると、しいたけ保存で一番大事なのは「温度」ではありません。
まずは 「あるもの」を作らないこと。
これだけで、日持ちが劇的に変わります。
① 結論:敵は「乾燥」よりも「水滴(結露)」

文献では、きのこ類は 0〜1℃・高湿(目安95%) だと日持ちしやすいとされています。
でも、家庭の冷蔵庫で失敗する原因はだいたいこれです。
「冷えているのに、パック内で結露して濡れている」
※理屈:
きのこは野菜の中でも「呼吸」が激しいです。
パックのままだと自分の熱で蒸れて、結露(水滴)が出ます。
しいたけはこの「水滴」がつくと、一気に細菌が繁殖してヌメりが出ます。
だから家庭では、“理想の湿度”を作るより、水滴を作らない設計 が正解です。
② やりがちNG:パック放置・ガチ密閉・洗う

まず、この3つだけ避けてください。
- パックのまま放置(温度差と呼吸熱で結露 → ヌメり直行)
- ビニール袋で密封(水滴+空気がこもって窒息)
- 先に洗う(水分が残ってカビの温床に。きのこは洗わないのが基本)
しいたけは常温だと足が早い(暖かい時期は特に)ので、冷蔵は正解。
ただし “濡れない冷蔵” が条件です。
③ 家庭の“現実解”保存:3点セット(これだけ)

しいたけは「裸」も嫌いますが、「服の着せすぎ(密閉)」も嫌います。
正解はこの3ステップ。
- パックから出す(まず結露ルートを切る)
- キッチンペーパー or 紙袋に入れる(余分な水分だけ吸う)
- その上でポリ袋に入れて、口は軽く閉じる(乾燥しすぎを防ぐ)
置き場所:
できれば 冷蔵室の奥(0℃寄り)。
野菜室でもOKですが、たまにペーパーが濡れていないか確認して、湿っていたら交換してあげると長持ちします。
④ 目利き:買う時点で勝負が決まる

良いしいたけ
- 傘がふっくら、表面が乾いていてツヤがある
- 裏(ヒダ)が白〜薄いクリーム色でキレイ
- 軸が太く短い(=栄養が詰まっている)
避けたいしいたけ
- 傘や裏が濡れている/ぬめり気がある
- 裏が黒ずんでいる、酸っぱい匂いがする
- 全体に開ききって薄い
今日の「農家の食べ方」(5分)
保存に成功したしいたけは、変な臭みがなく「香り」が立ちます。
今回は、傘に溜まる 「旨味汁(ジュース)」 を余さず飲む食べ方です。
【しいたけの“旨味汁”ポン酢】

材料
- しいたけ
- ポン酢
- かつお節
- (あれば)ごま油 1滴
作り方
- しいたけは洗わず、ペーパーで拭く(石づきは取る)
- ヒダ(裏)を上にして 耐熱皿に並べる
- ふんわりラップでレンチン(600Wで1分半〜2分)
- 傘に浮いてきた「汁」をこぼさないように、ポン酢とかつお節を乗せる
コロンのひとこと
「この傘に溜まった汁こそ、天然の出汁です。最後にごま油を1滴たらすと、香りが爆発します。」
[詳しくはこちら(直売所・オンラインショップへのリンク)]
まとめ
しいたけは、家庭だと温度の前に “水滴を作らない” が最優先。
パックから出す → 紙で吸う → 軽く袋。
これでヌメり負けが減ります。
次回予告(第6回)

次回は 玉ねぎ。
「芽が出る」「柔らかくなる」「カビる」を、温度と湿度でスパッと片付けます。乞うご期待。

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