白ネギ(長ネギ)、買ってきたら 「長すぎて冷蔵庫に入らないから、とりあえず横に寝かせる」 …これ、かなり多いです。
でもネギは**“立ちたい野菜”**です。 横にすると、起き上がろうとして曲がり、余計なエネルギーを使って食感や香りが落ちやすくなります。
今日は「入らない問題」を片付けつつ、甘さを守る“農家の置き方”だけ、短くいきます。
① 結論:ネギは「立てる」が基本(横置きはストレス)

ネギは横にすると、上へ伸びようとして曲がります(背地性といいます)。 家庭だとこの「曲がり→消耗」が起きやすく、結果としてこうなります。
- 水分が抜けてスカスカになる
- 食感が筋っぽくなる
- 独特の甘みと香りが飛ぶ
理屈は難しくなくて、ネギは**“立たせるほどラク(長持ち)”**です。
② 入らない時の最適解:長いまま「立てる」工夫

冷蔵庫に入らない問題は、まず“立てる器”で解決できます。
- 牛乳パック/2Lペットボトルを切った筒
- 深めの保存容器
- 紙袋(底を広げて自立させる)
このどれかにネギを立てて、野菜室 or 冷蔵室の手前へ。 ポイントは「倒れない」ことだけ。これで横置きより明らかに持ちます。
③ それでも無理なら:緑と白で切り分けて“立てる”

どうしても高さが無理なら、切り方で工夫します。
【農家の正解カット】 “適当に半分”ではなく、**「緑と白の境目」**で切ります。
- 緑(葉):乾燥しやすい/薬味や炒め物向き → ポリ袋に入れて軽く口を閉じる(使い切れない分は刻んで冷凍も強い)
- 白(茎):長持ち枠/甘さ担当 → 乾いた新聞紙 or キッチンペーパーで巻いてからポリ袋 → 立てて保存(ドアポケット・野菜室の端など)
※湿らせた新聞紙は「洗いネギですぐ乾きそうな時」だけ。基本は“濡らしすぎない”方が失敗しません。
④ 目利き:買う時点で半分決まる

良い白ネギ
- 白と緑の境目が締まっていて硬い
- 白い部分にツヤと弾力がある
- 葉先までピンとしている
避けたい白ネギ
- 境目がブヨブヨしている
- 白い部分がフカフカで軽い(中がスカスカ気味)
- 外皮が浮いて乾燥しすぎ/傷が多い
今日の「農家の食べ方」(5分)

白ネギの甘さを一番感じるのは、これです。
【白ネギの“黒”焼き(フライパン)】

- 材料:白ネギ(白い部分)、塩、油(オリーブ油 or ごま油)
- 作り方
- 白ネギを3〜4cmに切る。
- 油をひいて並べ、強めの中火で焼く。
- 「ちょっと焦げすぎ?」くらいの焼き色をつける(ここが甘さのスイッチ)。
- 蓋をして弱火で2分蒸し焼き → 塩で完成。
- コロンのひとこと 「外は黒く焦げても、中の甘みは焦げません。中のトロッで火傷だけ注意です。」
まとめ
白ネギは、寝かせると曲がって疲れて、味が落ちやすい。 冷蔵庫に入らないなら、
- まず**“立てる器”**で長いまま
- 無理なら**“紅白に分けて立てる”** これで寿命も甘さも守れます。
次回予告(第9回) 次回は 春菊(しゅんぎく)。

「冷蔵庫で葉っぱがドロドロに溶ける」あの現象。
野菜というより“花”として扱うと長持ちする理由を解説します。

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