【第8回】農家が教える保存の知恵 白ネギ編

農家が教える保存の知恵【第8回】白ネギ編|冷蔵庫に入らない長ネギは「立てて保存」が正解

白ネギ(長ネギ)、買ってきたら 「長すぎて冷蔵庫に入らないから、とりあえず横に寝かせる」 …これ、かなり多いです。

でもネギは**“立ちたい野菜”**です。 横にすると、起き上がろうとして曲がり、余計なエネルギーを使って食感や香りが落ちやすくなります。

今日は「入らない問題」を片付けつつ、甘さを守る“農家の置き方”だけ、短くいきます。

① 結論:ネギは「立てる」が基本(横置きはストレス)

ネギは横にすると、上へ伸びようとして曲がります(背地性といいます)。 家庭だとこの「曲がり→消耗」が起きやすく、結果としてこうなります。

  • 水分が抜けてスカスカになる
  • 食感が筋っぽくなる
  • 独特の甘みと香りが飛ぶ

理屈は難しくなくて、ネギは**“立たせるほどラク(長持ち)”**です。

② 入らない時の最適解:長いまま「立てる」工夫

冷蔵庫に入らない問題は、まず“立てる器”で解決できます。

  • 牛乳パック/2Lペットボトルを切った筒
  • 深めの保存容器
  • 紙袋(底を広げて自立させる)

このどれかにネギを立てて、野菜室 or 冷蔵室の手前へ。 ポイントは「倒れない」ことだけ。これで横置きより明らかに持ちます。

③ それでも無理なら:緑と白で切り分けて“立てる”

どうしても高さが無理なら、切り方で工夫します。

【農家の正解カット】 “適当に半分”ではなく、**「緑と白の境目」**で切ります。

  1. 緑(葉):乾燥しやすい/薬味や炒め物向き → ポリ袋に入れて軽く口を閉じる(使い切れない分は刻んで冷凍も強い)
  2. 白(茎):長持ち枠/甘さ担当 → 乾いた新聞紙 or キッチンペーパーで巻いてからポリ袋 → 立てて保存(ドアポケット・野菜室の端など)

※湿らせた新聞紙は「洗いネギですぐ乾きそうな時」だけ。基本は“濡らしすぎない”方が失敗しません。

④ 目利き:買う時点で半分決まる

良い白ネギ

  • 白と緑の境目が締まっていて硬い
  • 白い部分にツヤと弾力がある
  • 葉先までピンとしている

避けたい白ネギ

  • 境目がブヨブヨしている
  • 白い部分がフカフカで軽い(中がスカスカ気味)
  • 外皮が浮いて乾燥しすぎ/傷が多い

今日の「農家の食べ方」(5分)

白ネギの甘さを一番感じるのは、これです。

【白ネギの“黒”焼き(フライパン)】

  • 材料:白ネギ(白い部分)、塩、油(オリーブ油 or ごま油)
  • 作り方
    1. 白ネギを3〜4cmに切る。
    2. 油をひいて並べ、強めの中火で焼く。
    3. 「ちょっと焦げすぎ?」くらいの焼き色をつける(ここが甘さのスイッチ)。
    4. 蓋をして弱火で2分蒸し焼き → 塩で完成。
  • コロンのひとこと 「外は黒く焦げても、中の甘みは焦げません。中のトロッで火傷だけ注意です。」

まとめ

白ネギは、寝かせると曲がって疲れて、味が落ちやすい。 冷蔵庫に入らないなら、

  1. まず**“立てる器”**で長いまま
  2. 無理なら**“紅白に分けて立てる”** これで寿命も甘さも守れます。

次回予告(第9回) 次回は 春菊(しゅんぎく)

「冷蔵庫で葉っぱがドロドロに溶ける」あの現象。

野菜というより“花”として扱うと長持ちする理由を解説します。

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