【第2回】農家が教える保存の知恵 大根編

大根を長持ちさせる保存のコツ(葉を切る・乾燥対策)|農家が教える保存の知恵 第2回

直売所でも、スーパーでも。 大根って、なぜか買った翌日から弱りませんか。

シナシナ、スが入る、先が黒ずむ。 あれ、地味にストレスです。

でも、農家目線で言うとポイントはシンプル。 **「葉を切って、低温に寄せて、乾かさない」**です。

① 結論:大根は“0℃寄り・高湿”がいちばん落ち着く

大根(ラディッシュ類)は、保存の目安として 0℃前後+高湿 が推奨される資料が多いです。 寒さに強い野菜なので、温度が高いほど呼吸が増えて、劣化も早まります。

家庭の冷蔵庫は便利ですが、落とし穴はだいたいこれ。 **「乾燥」**です。 だからこそ、家庭では 冷やす前に、乾かさないを優先します。

② まず葉を切る:これが“劣化スイッチ”を止める

買ってきた大根、葉が付いたままだと傷みが早い。 理由は単純で、葉が生きている限り、根(食べる部分)から水分と糖を吸い続けるからです。

公開データでも、同じ低温条件でも **葉付きの方が呼吸量が大きい(=劣化が早い)**傾向が示されています。 体感でも、ここは間違いないです。

やること(10秒)

  1. 葉は根元でカット(目安:1〜2cm残すと乾燥しにくい)
  2. 葉は別袋で冷蔵へ(切った葉っぱの最高にうまい食べ方は、最後に書いておきますね)

③ 家庭の“現実解”保存:乾燥を止めて0〜5℃へ寄せる

業務用みたいに「0℃・湿度100%」は家庭では無理です。 だから、やることはこの3点だけ。

家庭の保存3点セット

  1. 新聞紙(orキッチンペーパー)で包む:乾燥ストップ
  2. ポリ袋に入れて口は軽く閉じる:湿度キープ(密封しすぎない)
  3. できるだけ低温の場所へ:野菜室でOK。冬場で凍らない冷暗所ならなお良い

※外に出す場合は、凍る温度(-1℃以下)の日は避けてください。凍ると組織が壊れて一気に傷みます。

④ 買い方・目利き:ここで負けると全部ズレる

保存テクより先に、買う時点で勝負が決まっていることもあります。

良い大根

  • 触って硬い・締まっている
  • 表面がなめらかで傷が少ない
  • ずっしり重い(=水分がある)

避けたい大根

  • 触って柔らかい、軽い
  • 中が**ス(スポンジ状)**になっていそう
  • 先が黒ずみ気味、亀裂が多い

今日の「農家の食べ方」(5分)

保存のために葉を切ったら、捨てるのが一番もったいないのが「葉」と「皮」です。 ここを使い切ると、大根も大喜び。

【大根葉と皮の「ごま醤油」炒め(ご飯泥棒)】

  • 材料:大根の葉、(あれば)皮、醤油、みりん(or砂糖少し)、ごま油、白ごま
  • 作り方
    1. 葉は刻む。皮は細切り(面倒なら無しでOK)。
    2. フライパンにごま油→葉(+皮)を入れて1〜2分サッと炒める。
    3. 醤油をひと回し、みりん(or砂糖)ちょい、最後にごま。以上。
  • コロンのひとこと: 「これ、弁当の隙間に最強です。葉が苦いときは、炒め時間を10秒伸ばすだけで落ち着きます。」

おまけのあと1品

皮だけ「パリパリ浅漬け」(3分仕込み)
皮を細切り→塩少々→揉んで水気を絞る→酢+砂糖ちょい+醤油少し。冷蔵で翌日がうまい。

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まとめ

大根は「料理」より前に、**買った瞬間の処理(葉を切る)**で寿命が伸びます。 あとは 乾かさない+低温へ寄せる。これだけで食品ロスが減ります。

次回予告 次回(第3回)は 人参

「冷蔵庫で白くなる理由」と「甘さを落とさない保存」、農家目線で短くまとめます。


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